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「合格」の目安とは?

· ピアノ教室,聞いて!まるみえ先生,楽譜ナビPLUS,LPO連載中,ぽこあぽこfellowship講座

「レッスン・プラス・ワン」215号発行されました。

ピアノの合格基準ってどう決める? 

生徒さんの成長を引き出すレッスンの工夫

ピアノのレッスンの中で「この曲は合格!」と判断するタイミングに悩むことってよくありますよね。生徒さん一人ひとりの成長スピードや理解度が違うため、合格の基準をどのように設定すればよいのか?私も幾度となく考えることがありました。

今回頂いたお悩みについて改めて、合格の基準について考え、 「ただ弾ける」だけではなく、

表現力や音楽性を育むためと生徒さん自身の成長につながるの合格ラインの設定方法

ご紹介しようと思います。

ピアノの合格=

次のステップへ進む準備が整った瞬間!

「合格」と聞くと、「ミスなく弾けたらOK!」と思いがちですが、実はそれだけではありません。ピアノのレッスンにおいて合格とは、 次のステージに進むための準備が整った瞬間 であり、達成感を感じながら成長するための通過点なのです。

 

1. 低年齢の生徒は小さな成功体験を積み重ねる

レッスンを始めて3か月くらいの低年齢の生徒には、 「一回で合格!」 を基本に設定し、達成感を大切にします。この時期は、楽しくピアノに触れながら「できた!」という喜びを積み重ねることが重要です。また、性格や練習スタイル、指の柔軟性や体の使い方なども観察し、生徒さんに合った指導法を探ります。

2. 4か月目以降は「レベルアップ」の意識を持たせる

次の段階に進むときには、「〇〇ちゃんのステージが上がりました!」と声をかけ、レベルアップを実感できるようにするのも効果的です。
たとえば、「レベル2になったから、手の形をきれいにしようね!」といった声がけをすることで、生徒さん自身も意識して練習できるようになります。

合格の判断基準は3つのポイントで決める!

私の教室では、合格を判断するために 「3つの基本ポイント」 を設定しています。

① 楽譜を正確に読めているか?

正しい音を弾くことはもちろん、リズムや拍子をしっかり守れているかを確認します。
特に初心者の場合、 楽譜を読む力が定着しているかどうか が重要なポイントになります。

② 手や腕の使い方、姿勢は適切か?

指の形、手の動き、腕の使い方、姿勢など、 正しいフォームで弾けているか をチェックします。
間違った癖がつかないように、段階に応じて意識させることが大切です。

③ 音楽的な表現ができているか?

単に正しく弾くだけでなく、 「どんな風に弾きたいのか?」という表現力 を意識できるかが、さらに上のステップに進むためのカギになります。
強弱やフレーズの変化、音の流れを考えて演奏できているかを確認しましょう。

生徒さんに合格基準をわかりやすく伝える工夫

「どこまでできれば合格なの?」
これは生徒さんにとっても気になるポイントです。

たとえば、
✔ 間違えずに弾けたらOK?
✔ フレーズの区切りを意識できている?
✔ 強弱や表現記号を理解している?
✔ 左右のバランスが取れている?

といった要素を 「この曲の合格ポイント」として明確に提示 することで、生徒も目標を持って練習に取り組めるようになります。
また、先生と生徒さんとの間で「合格の基準」を共有することで、レッスンに一貫性が生まれます。

合格エピソード:

実際のレッスンではこんな風に判断!

7歳のゆうたくんの場合

Cポジションの簡単な曲を練習していたゆうたくん。リズムや音は正確でしたが、少し力が入りすぎていました。
そこで、 「どんなふうに弾きたい?」と問いかけ、曲のイメージを書いてもらう ことで、自然な演奏を意識できるようにしました。
完璧ではありませんでしたが、「音楽をイメージして弾く」という新たなステップに進めたことを評価し、合格としました。

小学6年生のあかりちゃんの場合

クラシックの名曲に挑戦していたあかりちゃん。
最後のフレーズの表現に悩んでいたため、「この曲の終わりはどんな気持ちで弾きたい?」と質問しました。
すると、「静かだけど、きれいな感じで終わりたい」と答えてくれ、二人で最適な弾き方を模索しました。最後には、「これだ!」と確信できる演奏ができたため、これをゴールとして合格としました。

合格を成長のステップに変えるレッスンを!

合格は、生徒さんにとって「次に進むための準備が整った瞬間」です。
小さな成功体験を積み重ねることで、「もっと弾きたい!」という意欲が育まれます。

合格の基準を適切に設定し、生徒さんと共有しながら、

  自信を持って次のステップへ進めるレッスン を目指しましょう!